エゴイズムとの距離

ニュースステーションで、同級生を刺した高校生のwebでの日記が朗読されてる。地元に帰ってきてからテレビを見る時間が増えた。一緒に住んでる両親と一緒に、バラエティ番組を見て爆笑し、教養番組を見て感心する。だいたいのところ、家族みんなリアクションは同じだ。

このニュースを真剣に見ている人の何割が、1ヶ月後に事件のことを思い出せるだろう。僕の場合、衝撃を受けた事件も1ヶ月後には、ほとんど内容を忘れてる。まったく。いやいや、ひでぇなぁ、と思う。とんだボケ青年だ。

でも全部の記憶が1ヶ月以内に消え去るわけじゃない、当たり前だけど．．．
22年間もぬくぬくと生きてきたのだから、それなりに覚えてることもある。
忘れてしまうことものはだいたい、自分には馴染みの薄いものだ。誰かが誰かを殺したことも、誰かが誰かをだました事も直接的には、僕に何の関係もない。遠い場所のそれを見聞きした僕にできるのは、せいぜい同情と用心だけだ。

ニヒリズムはいつの間にか僕を侵食している。
ほかの人はどうなんだろう。わからない。けれど、ほとんどの人が何もしないじゃないだろうか。そもそも、自分や周りの人を守ることだって難しい人には、遠い場所の知らない人の幸せを手助けする余裕はないはずだ。

僕が何もしないのは、どうしたらいいのかわからないからかもしれない。でも、どうしたらいいのかを考える事はできるはずなのに、それもしない。自分にとっては遠すぎるから。

何言いたいんだろう俺。

最近、これまでの自己中心的な生き方を振り返って、そういう自分ではいけないと考える。
今のところ何もできない、出来る事があるかもしれないがやる気が出ない。

ヒューマニズムは、自意識に働きかける。
そんなわけで自意識過剰な僕を苦しめる。
残酷なニュースは聞きたくない、でも正直言って何もしたくない。

ただ、せめて自分の周りだけでも幸せであってほしいと思う。
今のレベルでは、それが精一杯だし。これからもそれだけで精一杯のような気もする。